イスラームの根幹をなすもの – クルアーン・ハディース・イスラーム法

2018年12月9日

砂漠

こんにちは!
クウェートのよしくんです!

今回は「イスラームの根幹をなすもの」に関して、掘り下げて説明していこうと思います!

 

以前書いた記事では、「イスラームは「法」で論理的に成り立っているよ!」と紹介しました。

今回は、論理性というよりも、クルアーンハディースイスラーム法のそれぞれが、どのようにしてイスラームの根幹を為しているのかに焦点を当てます!

 

例えば、僕がヨルダンに旅行したときにパレスチナ人のタクシードライバーさんがこんなことを言ってました。

「イスラームは俺たちの道を照らす明かりなんだ。つまり、正しい行いをするための道しるべなんだ」

めちゃめちゃかっこいいですよね…笑

では、その道しるべを示すものは一体何でしょうか?

 

聖典クルアーンが示すもの

クルアーン2

正しい行いをするための道しるべ

その道を示すものこそ、「読むもの」ですね!

 

イスラームは来世志向ですので、善行によってジャンナ(天国)へと導かれます。

正確には悪行を犯しても「最終的には」天国へ行けるんですけどね。

一度焼かれます…笑

 

そんな、ジャンナへの道しるべを示すのが聖典クルアーンです!

クルアーン

ユダヤ教にはヘブライ語聖書、キリスト教には旧約聖書、新約聖書がありますよね。

それらとクルアーンが決定的に違うのは編纂時期です。

 

ヘブライ語聖書や旧約聖書、新約聖書は、啓示から数世紀またいでから今の形に編纂されています。

クルアーンはと言うと、第三代カリフのウスマーン版が今も用いられています。

ウスマーンは預言者ムハンマドの20年以上の直弟子であり、預言者ムハンマドの没後15年に、クルアーンに精通する者達と共に編纂したのが今のクルアーンです。

 

そのため、啓示された内容が都合よく書き換えられることなく、そのまま現代にまで保存されていると考えられています!

だからこそ、イスラーム教徒はクルアーンを正確な神の啓示として大切にし、生活の指針にしています。

 

第二の指針「ハディース」

夕陽

「ハディース」と呼ばれているものも、イスラーム教徒の生活の指針になっています!

ハディースというのは預言者ムハンマドの言行録です。

 

預言者の死後、預言者の言葉は伝承経路(イスナード)をもって引き継がれていきました。

伝承経路(イスナード)というのは、簡単に言うと伝言ゲームです。

「預言者ムハンマドが~と言った。」というのを〇が言っていた。というのを△が言っていた。というのを□が言った。

 

このうちの、紫の部分「というのを〇が~というのを□が言った。」の部分が伝承経路(イスナード)です!

「預言者ムハンマドが~と言った。」の部分は本文(マトン)と言います。

 

でも正直この伝言ゲーム、「本当の内容分からなくなりそうでは?」と思う人も多いと思います…笑

実はダミーのハディースも沢山出回ったんですね。

 

ただ、イスラーム世界では「正しく暗記してるやつが賢い」の慣習があったので、ハディース学者という超記憶力のいい賢人も現れたりしました。

その人たちが、伝承経路(イスナード)と本文(マトン)を物凄く厳密に精査しました。

伝承経路(イスナード)に、1回でも礼拝サボった人や、敬虔じゃない人がいたらダメ。

複数の伝承経路(イスナード)の報告があるか精査。

本文(マトン)がクルアーンの内容と違うものはダメ。

 

そういった賢人の努力によって、ほぼ100%正しいと言える言行録のみを集めた信頼性の高いハディース集というのが生まれてきたんです。

スンナ派ではサヒーフ・アル=ブハーリーと、サヒーフ・ムスリムが最も有名です!

 

ハディースも、イスラーム教徒にとっては非常に大事な指針なんですよね。

 

指針をもとに作り上げられる社会規範「イスラーム法」

ここまで紹介してきたクルアーンとハディースを、イスラーム教徒は今でも生活の指針としています。

礼拝に関してもそうですし、豚肉・酒に関するハラーム(禁止)の規定もそこから来ています。

全般的な社会規範になっていたのですね。

 

そしてさらに、中東では政治システムにも影響していたのです!

かつては、クルアーンとハディースを含む、イスラーム法がイスラーム社会の根幹を為していました。

 

カリフ(預言者の代理人)とイスラーム法

 

クルアーンとハディースが重要視されたのは、預言者ムハンマドこそが、リーダーであり最高の模範であったからだと言えます。

預言者ムハンマドの生前は、預言者こそが行いの是非の指針であったわけです。

しかし、その預言者が亡くなった後は、「どうしようか…?」となってしまいますよね。

考え込む

 

そのため、誰をリーダーとしてどのようにまとめていくのか決めていくことになりました!

 

世界史を習ったことのある人なら「正統カリフ時代」なんて言葉を聞いたことがあるのではないのでしょうか?

カリフというのは預言者の代理人を表します。

そのカリフは預言者の代理として、神と預言者の言葉をつかさどるもの、つまりシャリーア(イスラーム法)をもとに統治します!

正統カリフ時代
画像引用元:聖書と歴史の学習館

イスラーム共同体は、預言者の代理人(次のリーダー)を決め、今まで通りイスラームに適った生活をしていくことになります。

 

カリフの統治の下では、もちろんイスラーム法がその社会規範を規定しています!

イスラーム教徒が大切にすべきルールですからね!

 

イスラーム法を用いた統治というのは、オスマントルコ時代まで続きます!

しかし、そんなオスマントルコのカリフ制の統治は、1922年終わってしまいます…

 

イスラーム法にはカリフ制が不可欠な要素なので、イスラーム法による統治は無くなっていしまいます。

イスラーム法が行き届いた地、専門用語で「ダール・アル=イスラーム(イスラームの家)」が無くなってしまったのです。

 

現在の「神の法」と「人の法」による摩擦

kuwait

ここで、クルアーンやハディース、イスラーム法を生活の指針にしているがために出てくる問題があるんですね…

 

オスマントルコ崩壊後、欧米が生み出した世俗法のもとで統治されていることです!

 

そんな世俗法による統治って良いことばかりじゃないんですね。

ムスリムにとっては、神の法(イスラーム法)による規範と、人の法(欧米からの世俗法)並存することとなってしまいます…

 

ムスリムにとって一番大事なのは神の法に適った生活ですよね。

しかし、世俗法による統治が行なわれることは、神の法に矛盾してしまうことになります。

好ましくない状況にあるわけです。

 

本来であれば、前代のカリフが亡くなった後、3日以内に次のカリフを立てることが、イスラーム法では義務となっています。

しかし、今現在もカリフは立てられておらず、ムスリムが果たすべき義務を果たせていない状況にあるわけです。

 

こういった現状が、「イスラーム国」などの現在の諸問題に繋がっていきます。

イスラーム国に関しては、またの機会に書きます!

 

イスラーム法関連のオススメ本

 

有名なイスラーム法学書としては、シャーフィイー学派のマーワルディー『統治の諸規則』が、日本語訳の書籍もあり読みやすいと思います!

 

イスラーム国などのルーツとなる考え方は、イブン・タイミーヤからきています!

こちらの本に収められている『シャリーアによる統治』は、イスラーム世界でも権威ある法学書になります!

 

イスラーム法とカリフ制について詳しく知りたい人はこちらの『カリフ制再興』に詳しく載っています!

 

良かったら読んでみてくださいね!

 

クウェート留学相談も受けていますので、このブログの「お問い合わせ」、もしくは以下のリンクを参考にぜひ連絡ください!

VALUもやっています!

 

読んでくださりありがとうございました!

スポンサーリンク